(公式コメント)
「グルグラム」というのは、デリー市の南にあって、IGI空港を超えたすこし先で州境を接しているハリヤーナ州の大都市で、”昔”、グルガオンという名前だったところです。この地域、2016年の4月以降、公式名称は「グルグラム」に統一されたようなのですが、今でもグルガオンと呼ぶ人は多く、外国人には、まだまだそちらの方が通りは良いようです。
上に”昔”と引用符付きで書いたのは、その昔のさらに昔は、実は今の公式名称である「グルグラム」と呼ばれていたらしいからです。つまり、近年インド各地で進められている伝統的呼称の復活運動の一つとして、この地域のより伝統的な呼び名が掘り起こされて、公式名称として認証されることになった、ということのようですね。
グルガオンもグルグラムも、意味は「お師匠様の村」です。デリーメトロ・イエローラインでこの地域に入ってくるところにある駅で、「グルドローナ・アーチャーリヤ」という駅があります。このドローナ先生というお師匠様(グル)に因む村(ガオン/グラーマ)というのが、この二つの名称の由来となっています。
ドローナ先生というのは、マハーバーラタに出てくるガウラヴァ、パーンダヴァ両一族共通の武芸の先生です。ということは、このグルグラム/グルガオンという名称は、マハーバーラタにまでさかのぼる由緒正しいもの、ということになりますね。マハーバーラタということであれば、サンスクリット語の方が適当だろうということで、よりサンスクリット語彙に近い「グルグラム」の方を公式名称にしよう、ということになったようです。
この都市、じつは日本とは関係が深くて、現在インドでも指折りのビジネス街となっているこの町も、発展のきっかけとなったのは、日印合弁の自動車会社「マルチ・スズキ」がこの地域に工場を建てたこと、だったのです。むかし、今みたいな大都会になる前は、このあたりに大きな本屋さんがあって、日本から来た研究者はデリーに来ると大抵みんな、その本屋さんに立ち寄って資料収集をしていたのだとか。そんなこんなで、古くからこの辺りに住む人たちは、意外なことに日本人慣れしていたりするんですね。
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